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メンテナンスガイド

楽器のメンテナンスの必要性について 2

“プロ・ギタリストの弾くギターは、毎回しっかりと調整されているものなのだろうか?”

 この疑問に対する答えはギタリストのスタイルによってまちまちだろう。ギターの状態に気を配るギタリスト、ぎりぎりのセッティングを好むギタリスト達は、ステージやスタジオ毎に細かいセッティングの調整を行っている。一方で、ギターの状態がある程度変化しても、それに動じずギターをプレイすることができるギタリスト、高目のアクションを好み、細かいことは気にせず自分の弾きたいギターを弾きたい時にプレイするタイプのギタリスト達は、毎回細かい調整を行う必要がない人達ということができる。しかし、彼らの弾くギターも一度は隅々まで調整されており、同じゲージの弦を張り同じ弦高で使う限りは、それ以上の調整を必要としていないということでもある。多くのアマチュア・ギタリスト達もまた、「理由はわからないがギターの音が変わってきた。どこが変わったのかはわからないが弾きにくくなった気がする」といったような言い回しで、意外と数値だけをチェックしていたのでは見逃してしまいがちな、コンディションの変化を指摘していることもある。

 これが、冒頭の疑問に対するある程度の答えになっただろうか。自分の好みの弦高、弦のゲージ等が決まっているのならば、それに合わせて一度はギターのセッティングを行う必要がある。後は、定期的にギターをチェックするのもよし、自分でギターの変化が気にならない限りはそのまま使い続けるのもいいだろう。ただし、エレクトリック・ギターの場合、ノイズや接触不良などの電気的なトラブルは、最低限直しておく必要がある。これは、ギター・サウンド以前の問題であり、トラブルを抱えた楽器からは、ごまかしながら使い続ける方法を学ぶ意外の利点はない。

 以下に、幾つかの項目に分けてギターの調整方法をご紹介していこうと思う。作業は個々の項目ごとに単独で行なってもらっても構わないが、ネックを調整すれば、それによって弦高が変化し、イントネーション位置も変わってくる。従って、こうした作業は、一連の流れとして把握しておいた方がよいだろう。一方で、全てのギターに当てはまる同一の調整方法といったものは存在しない。ギターの種類やコンディション等によって、一般的な調整方法が通用しないギターはたくさんあるし、より現実的な状況に合わせながら各ギターごとに、一本一本の調整をする必要がある。そして、もう1つ。全ての作業は、十分にその内容を理解した上で行う必要があり、自己責任の範囲内で行なってもらいたい。内容を把握しないままに作業をすることで、コンディションをより悪くしてしまうこともあるだろう。最悪の場合は、ギターを壊してしまうかもしれない。人によっては得意不得意もあるので、決して無理をせず、自分が自信を持って行える範囲の作業に留めておいてもらいたい。そして、一度はリペア・ショップでギターを調整してもらうと、プロが行う調整と自分が行ってきた作業との違いがはっきりとする。色々と手を尽くしても、楽器自体のコンディションによって、十分に反応してくれないこともあり、そんな時は時間をかけて問題の解決に当たる必要がある。繰り返しになるが、自分で責任の取れる範囲内で、無理をしないことが肝要である。どこまでが、無理のない範囲かが分からなければ…作業をあきらめることも重要だし、リペア・ショップに相談したり、調整してもらうのもいい勉強になる。場合によっては、自分のギターの問題点を的確に判断してくれることもある。特に古い楽器の場合、「言われたとおりにネジを回したら、錆びついていてネジが折れてしまった」などという例は少なくないし、「失敗から学ぶことは多い」という前向きの姿勢で望む性格の人の方がギターいじりに向いていると言えるかもしれない。

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楽器のメンテナンスの必要性について 1

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 ギターやベースは、どれくらいの期間で弦を交換したり、調整した方がよいのだろうか? 一度調整を済ませたギターは、時がたてば再び調整しなければならないものだろうか? また、それが車検のようにやって来るとしたら、はたしてどれくらいの間隔なのだろうか? ギターに色々なゲージの弦を張ったり、弦高を変えて弾き心地を試してみたい時もある。そんな度ごとに調整が必要なのだろうか? 多くの人は、季節によって楽器を調整しているようには思えないけれど…。そもそも、きちんと調整されたギターは、そんなにも弾きやすいものなのだろうか? 自分でギターを調整しても、こわれちゃうことはないもんかしら?


 自分の持っているギターの調整やメンテナンスについて疑問に思ったことはないだろうか。新品として売られているギターは、最大公約数のユーザーに向けてのごく一般的な範囲のセッティングが施された状態で出荷される。例を挙げれば、自分のギターをより低い弦高へとセッティングを変えようとする時には、その人が普段ギターに使っている弦のゲージ(その弦が持つテンション)に合わせて、より細かなネック調整が必要ということになる。つまり、出荷時のギターには、多くのプレイヤーが選択することを想定して国産の0.009〜0.042インチのゲージが選択されている。弦のゲージやメーカーが変われば、その弦の持つテンションも変化する。その差は僅かなので、ある程度以上の弦高で弾くプレイヤーは、気にならない範囲かもしれない(イントネーションという、また別の問題点はあるが…)。しかし、低い弦高を好むプレイヤーにとっては、「弦がビるかビらないか」を分ける重要なポイントでもある。

 ネック、弦高調整と同じようなことが、ピックアップやイントネーション(オクターヴ調整)についても当てはまる。ピックアップを低めに設定しておくトーンが好みならば、多少弦高が変化しようと、あまり気にせずに全体を低めにセットしておけばよい。しかし、少しでもギターの音量を上げたり、力強いトーンを狙ったりする時には、ぎりぎりまでピックアップ・アクション(ピックアップの高さ)を上げる必要がある。そして、それはもちろん弦高に対してのセッティングなので、ピックアップ・アクションを調整するためには、その前にストリング・アクション(弦高調整)を終えておく必要がある。また、弦とピックアップ間がある程度距離がある時は気にならなくても、弦〜ピックアップ間の距離が短くなれば、各ポジションごとのピックアップ同士、高音側/低音側、各弦同士といった間の、音量バランスの差が大きく目立つようになってくる。

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