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メンテナンスガイド

その4 ベンド時の音詰まりについて

 大むね上記の方法でアクションを決めてもらえばよいと思うが、フィンガーボード・アールの強い(7〜7 1/2インチ)ヴィンテージ・フェンダー・タイプのギターでは、ビビリとは別に1、2弦をベンドした時に音が詰まってしまうことがある。これは、弦が強いフィンガーボード・アールを横切るように位置することで、相対的にアクションが下がったのと同じ状態になることによるもの(図5)。この場合、バランスを保ったままで、全体的なアクションを高くする。もしくは全体的なバランスは崩れてくるのだが、ベンドした時の音詰まりがなくなるまで1、2弦のみの弦高を上げて行けばよい(図6)。この修正は、特に低いアクションにセッティングする時に必要となる。

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その3 実践:アクション調整法

 ギターの構造上、ハイ・ポジションにいくに従ってアクションは高くなる。そこで、常に一定の基準を作るために、ここでは12フレット上の弦高を基準として話を進めていくことにする。アクション(弦高)は、フレットの(上面の)最も高い部分と弦の(直径の)最も下側との距離であることは先程述べた(図2)。また、フレットはフィンガーボードの持つアールに合わせて打ち込まれている。そしてフィンガーボードには7〜16インチ径ほどのアールがつけられている。従って、まず各弦ごとの基準点として、フレット上面の0地点を基準とする一定の距離に6本の弦を並べる。弦高の基準は、まったく個人の好みで決めてかまわないが、多くのギターの場合、1弦12フレットで2/32〜3/32インチ(1.6〜2.4ミリ)あたりにセットされている。ここでは例として、1弦を1.6ミリに設定してみよう。まず、6本の弦全ての弦高を1.6ミリに設定する。低音弦側へいくほど、弦の直径が太くなってくるので、それに惑わされないように気をつけながら、各6本の弦の一番下側とフレットの最上面との距離が1.6ミリになるようにセッティングする(図3)。次に、弦は太くなるにつれて振幅が大きくなることと、多くの人は低音弦側を強くストロークする傾向にあること等を考慮して、高音弦側から低音弦側にかけて弦高が高くなるようテーパーをつけるようにセッティングする。スタジオ系のギタリスト等で、普段から均等で正確なピッキングを行なっている方はあまりテーパーをつける必要はないかもしれない。逆に強くてラフなコード・カッティングが好きな方はテーパーを大きめに取ってやる必要がある。弦6本分のテーパー量は0.4〜0.8ミリ程度と考えておけばいいと思う。今回は話を分かりやすくしたいこともあって0.5ミリに設定してみる。するとテーパーを加えた各弦のアクションは、1弦:1.6ミリ、2弦:1.7ミリ、3弦:1.8ミリ、4弦:1.9ミリ、5弦:2.0ミリ、6弦:2.1ミリとなる(図4)。ここでもやはり、0.1ミリ刻みの正確なアクションへとブリッジ・サドルを調整してやる必要があり、1にも2にも練習が必要である。おおむね3/8インチ以上の弦高に調整する方は、それほど正確にテーパーがつけられていなくても目立たないと思うが、低いアクションが好みの方は、このテーパーの付け方によって特定の弦がビビってしまう事態になるので注意が必要である。トータル的なバランスを作り出すことに成功したら、それ全体の高さを上下したり、テーパー幅を変化させるといったことを試してもらいたい。ピッキング・スタイルが各人によって異なるように、それぞれのパターンに合った値を見つけて欲しい。

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その2 調整機能について

 個々のギターによって、そのギターに組み込まれているアクションの調整機能はまちまちである。ストラトキャスターに代表されるフェンダー・ギターでは、各ブリッジ・サドル上の2本のヘキサゴン・スクリューを専用レンチで回すことで、各弦ごとに独立した弦高調整が可能となる。今回は、一番調整範囲が広いこのタイプを中心として話を進めていくことにする。一方、ギブソン・レスポールでは、アクションはブリッジの両端に取りつけられた2本のヘイト・アジャスト・スクリューやサム・ナットを回すことで行なう。多くのアーチトップ・ギターを含めて、このタイプのギターでは高音/低音という2方向から調整ができるのみで、各弦ごとの弦高を個別に設定することはできない。この場合、6本の弦の弦高を正確にチェックし、理想的な弦高ラインに対して一番アクションが低くなっているサドル位置を基準として全体のアクション調整を行なえばよい。更に正確に各弦ごとの調整を行ないたいのであれば、ブリッジ・サドルにヤスリでノッチを刻むことでその弦のアクションを個別に下げていく必要がある。後戻りができないこの作業には、十分な経験と正確なアクションを把握できる技術が要求される。

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その1 アクションの定義

 まずこの章は、ネック調整を既に終えた状態になっており、各弦を押さえるフィンガーボード面がストレートになっていることを前提として話しを進めていく。

 基本的にアクション調整の考え方や作業は、ごく単純である。重要なのは、如何に正確に自分のギターの弦高を把握することができるかにつきる。アクションとは、フレットの上面の一点と、張られた弦の底面の一点間の距離を指す(図1)。つまり、実際にはフレットの形状や弦の太さとは別のところでアクションは決まっている。単純に“弦をフレットに押さえつけるまでの距離”と置き換えてもらっても構わない。それをできれば、0.1〜0.2ミリ刻みで目視して調整するのである。そのためには、正確なスケールと、一定の角度から弦高をチェックするためのある程度の練習を行なえばよい(図2)。

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